seikacatのブログ

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宝塚歌劇について誰もとりあげない偏った話をしていきます。

宝塚歌劇  ダンスなどの振付には著作権あり? 考察

 


 

 

 最初に

 

今月のスカイステージで、花組 舞浜アンフィシアター公演『Delghit Holiday』が放送されています。

 

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そして8月に催された星組トップ娘役、綺咲愛里さんのミュージックサロンも。

 

こちらは今年退団する綺咲さんのいわば記念のディナーショーです。

 

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(DVD化されないものは、放送が早いのが特徴。

されるものなら一年近くまたはそれ以上スカイステージでの放送を待たねばなりません。)

 

このふたつの公演、組も違うし関連性はあまりないように思えますが、曲目の中にアイドルグループ、モーニング娘。『LOVEマシーン』が入っているという共通点があります。

 

 

 『LOVEマシーン』とは

 

 

『LOVEマシーン』は、1999年に発売された、モーニング娘。グループ初のミリオン達成曲。

 

 

現在に至るまでグループ過去最高の売上を記録している曲で、一定の世代以上の人なら耳慣れたメロディだと思います。

 

www.youtube.com

 

 

『Delghit Holiday』では、懐かしの平成ヒットメドレーのひとつとして登場。

 

ミュージックサロンでは、綺咲さんの馴染みの曲なのかな?

 

 

 

それで少し気付いたこと。 

 

 

 

 

 

 

 

 

 振付師のクレジットが付いている理由

 

 

トップさん達のディナーショーのスカイステージでの放送では通例、稽古場とトークがあります。

 

稽古場とディナーショー公演のふたつとも今回の綺咲さんの『LOVEマシーン』の場面のみ、

「オリジナル振付 夏まゆみ」というクレジット表記がされていました。

 

 

そしてその歌の場面のダンスは、モーニング娘。さん達のものとは違っていました。

 

『Delghit Holiday』では、メドレーなので短くはっきりしませんがおそらくモー娘。さんとほぼ同じ振付で、クレジット表記もなし。

 

 

 夏まゆみさんについて

 

 

夏まゆみさんは海外留学をへて、国内芸能人、アイドルの振付を多く手がけてきたダンサー、振付師です。

モーニング娘。では『LOVEマシーン』をはじめとして多くの振付を担当。

 

 

また国内のエンタメ業界においてダンサーだけでなく、振付師の地位向上に尽力したことでも知られています。

 

 

宝塚歌劇では、過去にモーニング娘。とOGの共演ミュージカルの振り付けなどを手がけたことがあります。

 

ja.wikipedia.org

 

 

 

dews365.com

 

 

 振付師の クレジット表記は著作権のため?

 

 

なぜわざわざその曲でのみ振付師を表記しているのか?

 

なんとなく『LOVEマシーン』の振付には著作権があるからかなと推測。

 

 

夏さんのwikiに、

 

 

音楽番組などで振り付け担当者、踊り(ダンサー)のクレジット表記はこれまでに多様にあったが振付師の地位向上を願い更なるテレビ番組等において、振り付けクレジット表示の働きかけを精力的に行った。

 

 

とあったからです。

 

 

 

結論からいうとダンスに著作権は、あるそう。

わたしは不勉強ながら知りませんでした…

 

ダンスの振り付けに著作権は「ある」

著作物は、著作権法2条1項において「思想又は感情を創作的に表現したものであって、文芸、学術、美術又は音楽の範囲に属するものを言う」と定められています。

振り付けは”思想又は感情を創作的に表現したものであって”、”文芸、学術、美術又は音楽の範囲に属するもの”といえるので、著作物といって問題ないでしょう。

 

 

ダンスは「思想または感情を創作的に表現したもの」という表現が法律の条文なのに、文学的で格好いいですね。

 

 

 

 

ちなみに非営利の上演では振付による著作権は発生しません。

 

 

著作物である他者の振り付けた作品を踊るときは、作者の許諾が必要です。しかし、著作権法38条1項において「非営利・無料・無報酬での上演」には許諾が必要ないと定められています。

非営利・無料・無報酬での上演とは、学園祭や地域のボランティアで行われる催し物などのこと。したがって、ダンス教室等で踊る場合は、非営利・無料・無報酬での上演とはみなされないため許諾が必要になります。

 

 

 

 振付家ではなくそれを踊るダンサーとの関係

 

 

 

 

「振付師」は、プロ・アマ問わず、その振付けの”著作者”や”著作権者”になり得ます。そして、その振り付けを演じる「ダンサー」は”実演家”ということになり、実演家としての著作隣接権が発生します。

実演家であるダンサーは、プロ・アマ問わず、自らのダンスパフォーマンスを録画する権利や、インターネットにアップロードする権利を有しています。
そのため、ダンサーのパフォーマンスを利用する際は、振付師を含め他のダンサーとの権利処理を行うのが基本です。

 

 

 

そうみると『Delghit Holiday』では振り付けの著作権料を処理し、ミュージックサロンではしなかった…ということなのでしょうか。

(楽曲自体の著作権の処理はどちらも当然されている)

 

 

 

 

 

 終わりに

 

 

 いつもながら推測の域を出ない話になりました。

 

 

宝塚歌劇では芝居でもショーでも振付ける時は歌劇団所属のOGの先生方お馴染みの振り付けの方や、外部から振付師を招いてなど様々なひとが関わってきます。

 

 

振り付けにもその創作者のやりたいこと、気持ちや、癖を感じとれるようになると、特にショーでの場面の観劇の楽しみが増えるのでおススメです。

 

 とはいっても宝塚歌劇団所属の振付の先生たちの振付の著作権は、個人ではなく「歌劇団に帰属」となっていそうですが。

 

 

ここまで読んで下さりありがとうございました。

 

 

 

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