2021年9月、毎日新聞で有料記事として、アプローズが取り上げられていました。
アプローズとは株式会社タカラヅカ・ライブ・ネクストが主催するOG公演のことです。
2020年4月1日「株式会社タカラヅカ・ライブ・ネクスト」を設立いたしました。
新会社では 宝塚歌劇団で身に付けた高い技能と豊富な舞台経験を有する
卒業生(宝塚歌劇OG)が退団した後もそれぞれの特長を活かし
各自のライフステージに対応しながら さまざまな場で活躍できるよう支援するとともに
宝塚歌劇OGを起用したショーやコンサート等の企画・プロデュースにも取り組んでまいります。
これらを通じて 卒業生を含めた宝塚歌劇ブランドの維持伸長に努めるとともに
更なる日本のエンタテインメントの発展にも貢献してまいりたいと存じます。
mainichi.jp
記事有料部分の内容としてはOGのステージだけでなく、この試みの目的として振付や演出などの裏方スタッフ養成、さらにホテルなどの阪急関連施設での教室やショーの運営要員の育成なども挙げられていました。
この点、とても重要だと思ったので自分の見解とともに書き留めておきます。
OGの現状
宝塚歌劇は退団後は未婚という括りを軸におおよそ10〜15年で退団する人がほとんどです。
それは記事にある通りです。
ただ女性のライフスタイルが変化した現在において、退団後の生きる道筋はかつてより選択肢が増えてきています。
女優やダンスや歌唱のインストラクター、舞台の教え手、裏方に回る、全く違う業種で働く等。
結婚が最終地点ではなくそこから先も彼女達は自分なりに生きる糧を探さないといけません。
これまで宝塚歌劇団は辞めた生徒のその後のケアは(特に非路線の生徒)されないことが普通だったので、いわば舗装もされない荒れた道に突如出ることになり、自分でならして生活の土台を根本から変えないといけない必要がありました。
これは今もほぼ変わっていません。
特に30代以降の人にはそれまでの生活を変えるというのは大変な労力と経済的な負担にもなります。
付け加えるなら30代後半から女性の身体は大きな変化があり、体調管理も大きな課題のひとつになります。
育てた才能を活用する場所として
退団後に大病を患った某トップスターさんはかつて、「退団後の人生のほうがずっと長い。皆苦労している」という趣旨の発言をされていました。
ただ宝塚歌劇という場所で磨いた技能を活かせる場所はこの国のエンタメ業界では枠が少なすぎるのが現状です。
ミュージカル枠はもとより主演コンサートやディナーショーができるのは元トップやある程度のバックボーンがあるスターのみ。
それではその後の彼女達の才能はどうすればよいのか?
育てたのに10年少しで放置することになるのか?
それはビジネスとしても誤りではないか。
阪急が進めるアプローズはその受け皿としてスタートしたとみてよいでしょう。
退団後に活躍するスター達はいわば歌劇団から出てバラバラに散らばった才能です。
阪急小川氏はそれらを再度集約したい意図もあるのではないか、そう感じます。
www.asahi.com
少子化はこの先歌劇団にも影響を及ぼしはじめる、いえすでにはじめていると私はみています。
未婚既婚や退団後という枠を払い、表現が悪いですがその後も宝塚というブランドに、アプローズはいわばそのサブブランドとして繋げることが重要です。
現役ファンから認められて定期公演が軌道に乗るのなら、阪急としても事業として組み込めることになるとみているのではないか。
推測ですがそう考えて推移を見守っていくつもりです。
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