前回の記事の続きです。
未読の方はこちらからどうぞ。
前回記事では眼鏡男子の歴史を拾い集めて、宝塚歌劇における公式ポートで眼鏡をかけたものが初出…までをざっくり紹介しましたが、もう少しだけおつきあいください。
望海風斗さん(右)
真彩希帆さん(左)
宝塚初 眼鏡メガネ男子の条件
なぜ宝塚歌劇で初メガネジェンヌは大空さんと定義したかというと、
「役でないジェンヌの名で」、 「宝塚歌劇における公式写真といえる『歌劇』のポートに掲載」、という条件を満たしているのはおそらく初めてだったのではないかと推察しているからです。
このポートなどもオールド宝塚というよりアーティストの宣材スナップに近いですね。
当時のファンの反応
2000年代初頭ネット上では「宝塚に『萌え』なんていっていいの?」という議論までされていてこの頃まではまだ宝塚と現代的なコミック系の舞台との間に明確な境界線があった、もしくはあるとファンは考えていました。
宝塚歌劇だけでなくとも原作から舞台化がひんぱんにされるようになり、コミックとの垣根が低くなっている2019年現在との温度差を考えると、ファンの間で大空さんの眼鏡ポートはちょっとしたざわつきを生んでいたのを記憶しています。
2007年から2011年くらいまではまだコミックと宝塚歌劇と眼鏡メガネが融合?するのに時間を要した、いわば過渡期といえるかもしれません。
一般にもファッションとして眼鏡が取り入れられた
加えてちょうどこの頃(2009年頃)、カジュアルグラスが一般に普及していった時期であることも大きいと考えています。
フレームやカラーの種類も豊富になり価格も安くなり、気軽に購入できるお店が増えたことで学生などの若い世代のひとでもファッションとして眼鏡を気軽に替えることが可能になり、コーディネイトに取り入れることが増えました。
七海ひろきさん
眼鏡は高価な一点物ではなくなり、かつてのようにちょっとイケていない人を示す記号でもなくなっていったのです。
永久輝せあさん
宝塚歌劇 眼鏡男子は定番になるか?
とはいっても眼鏡は顔の中心に来るため本人が思っているより、見る側からすればかなりイメージを変えてしまうもの。
持っている雰囲気をあえて壊すためなど、ある程度のイメージが確立しているトップスターをはじめとする上級生でないと眼鏡はうまく扱えないアイテムだとも思います。
上段左 明日海りおさん 右 紅ゆずるさん
中段 早霧せいなさん
下段左 珠城りょうさん 右 朝夏まなとさん
前回の記事でも今回の記事でも、ピックアップして掲載した眼鏡ポートは
実は2012 年前後のものが多いことに書いていて気付きました。
桜木みなとさん
つまり宝塚歌劇における撮影のアイテムとして眼鏡が地位を得て浸透するまでにおよそ3年程かかったということになります。
宝塚歌劇における 眼鏡男子 歴史まとめ
三次元映画で眼鏡男子ブーム(2002)
↓
眼鏡が宝塚歌劇にポートに取り入れられる(2009)
↓
宝塚歌劇で本格眼鏡ブーム?(2012)
↓
撮影のアイテムとして浸透。
現在へ
(※個人的見解の年表です)