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宝塚歌劇 歴史 建物 について偏った話をしていきます。

宝塚歌劇の中のナチスドイツ

宝塚歌劇の舞台で取り扱われる芝居の中に登場する「悪」。

その悪役にナチスドイツが使われることがこれまで何度かありました。

 

 

それはここ数年世界的にナチス関連を題材にした映画が増えてきていることとは少し違った理由があるとみています。

 

dot.asahi.com

 

 

それはやはり、その造形が飛びぬけて美しいということが理由のひとつとしてあるのではと推察しています。

 

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真琴つばささん。

1999年月組公演『螺旋のオルフェ』より

 

   

 

宝塚歌劇でナチスがどのような悪の位置にいたか

 

 

世界を震撼させた特定の人種を狙った世界初の大規模殺戮と、血統至上主義をかかげた戦争目的。

その歴史的な背景を知らない人はほとんどいません。

 

 

◆舞台に出てきてその格好からすぐに「悪」だとわかる見た目。

 

◆宝塚歌劇で演じるものとして「悪」でありながら美しいこと。

 

そして物語の中で成立させるのにこれがもっとも重要なのですが、

◆「現在ではもうすでに滅び去ったとされている」悪であること。

  

 

意地が悪い書き方ですが、これでナチスドイツを宝塚歌劇の物語の中で安心して悪役として扱う理由付けが揃うことになります。

 

 

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春風弥里さん。

2010年宙組バウホール公演『Je Chante-終わりなき喝采- 』より

 

制服の持つ力

 

美と悪を両方兼ね備えた(あくまで物語の中でですが)ナチスという存在。

 

それにはやはりその制服の効果は小さくありません。

黒を前面に出し、体格をよりよくみせるよう綿密に設計されたスタイル。

(実際にはナチスの制服は黒だけではありませんが、黒の親衛隊のものは記号としてよく使われます。)

 

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 元々その制服が人々を熱狂的に高揚させることを目的としてつくられている以上、時代を超えて私たちにも抗いがたい魅力があるのは否定できません。

 

 

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美弥るりかさん。

2010年星組バウホール公演『リラの壁の囚人たち』より。

 

 

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それくらいナチスドイツという存在はドラマティックであり、素材にせずにはいられない、ある意味魅力が時代を超えてあるということなのでしょう。

 

そして世界中で魅力を感じる存在だからこそ、現在は忌避されていることも。 

 

軍服を着ると「被害者が傷つくからいけない」という理由に加えて 

若者が憧れかねないあの衣装を着てはいけない

 というリアルな恐怖なんです。

 

 ナチスとは、ヨーロッパにおいて

 着てはいけない

 歌ってはいけない

 ポーズを真似してはいけない

 もう、社会にさらしてはいけない

 

 いつ、あの亡霊が蘇ってくるかと、今でも恐怖を抱えているのです。

  封印して、人目に晒してはいけない・・・・そういう呪われた遺物であり

 そのくらい、一歩間違えば・・・

 

 

魅力的な要素が沢山あるのです。

 

 だから、危険なんです

 

 

ameblo.jp

 

 

宝塚歌劇という舞台でもそれは例外ではありません。

 

悪と人間の闇の部分と美を見た目だけで同時に表すのにこれほどわかりやすい存在もあまりないからです。

 

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左:朝澄けいさん、右:真飛聖さん 

2002年星組バウホール公演『ヴィンターガルデン』より

 

 

(あとあまり大きな声(フォント)で言えませんが、

宝塚の場合さらに女性がそれを舞台で役として着用するという

世界でも稀な事態が加わります…)

 

 

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悠未ひろさん。

 2009年宙組公演『カサブランカ』より。

 

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ただインターネットが世界で普及してきた今日、軍装を格好良いと楽しんでいるだけでは、思わぬ批判を浴びる可能性があることを忘れてはいけません。

 

2年前に国内で起こった騒動でそれはよくわかります。

 

www.asahi.com

 

党組織の親衛隊の制服の特徴的な黒と銀の色使いは、

18世紀以来のプロイセン王国の親衛軽騎兵、

たすき掛けベルトや開襟にネクタイは、

当時最先端だった英国軍のスタイルを採用した。

伝統と先端のバランスがとれた「完成度の高い」デザインだったという。

 

 

 

 

ナチスは軍装で大衆を憧れさせ、扇動した。

『完成度の高い』軍装は今もその記憶と結びついている。

あえてタブーの破壊を試みるデザイナーもいるが、必ず『ナチス賛美ではない』ことを示す弁明を用意している。

格好よさげなデザインを無自覚に使ったのなら、あまりに不勉強と言わざるを得ない

 

 

 

 

ここでは言及されていませんが、現在でも世界的に有名なデザイナーやデザイン企業たちがナチスドイツの制服作りに協力したといわれています。

 

ore-germany.com

 

 

blog.livedoor.jp

 

 

あとがき

 

 私は個人的には世界の軍服が大好きですし、ナチスドイツのものはデザインクオリティが現在でもトップクラスに高いと思っています。

 

それとは関係なくナチスドイツを積極的に悪役として扱う物語はこれから先、宝塚歌劇 では少なくなるのではと考えています。

 

 

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左端:ゲッベルス役  凪七瑠海さん

2017年星組公演『ベルリンわが愛』より。

 

 


 

 

 

欅坂さんの問題が大きくなったのは、ネットが普及したことで興味のない人にまで容易に伝わっていくことも要因としてあり、衣装のことも宝塚歌劇だけが例外にはなりえないからです。

 

あとは脚本演出として悪役を描く手間をそのわかりやすさから省いているのでは?という印象も正直あるからです。

 

 

それでは現在で言う「悪」とはどのようなものなのかという話題になりそうですが…

 

今回はこのあたりで。

 

 

 

読んでいただいてありがとうございました。

 

 

 

おまけ

 

 

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ナチスドイツがいた リアルな時代の宝塚少女歌劇です。圧巻。

表紙は現在まで続く宝塚男役の基礎をつくったといわれている葦原邦子さん。

ja.wikipedia.org

1936年星組公演 軍国レビュウ『南京爆撃隊』より

 

 

ここまで書いておいてなんですが、弱虫なので

何か言われたらこの記事消します。

消えてたら察してください…

 

 

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